ナムツォ(纳木错)

 ナムツォ(纳木错)は、ナンカルツェのヤムドク・ユムツォ(羊卓雍措)、アリ地区のマパム・ユムツォ(玛旁雍措)と並んでチベット三大聖湖と称され、チベット仏教における聖地として知られる存在である、チベット古い本教の第一神湖であり、チベット語で「天の湖」を意味するナムツォは、ラサの北約130km、ニェンチェンタンラ山脈北麓の標高4718m地点にある塩水湖で、青海省の青海湖に次ぐ中国第2の規模を誇る。湖の規模は、ラサ市管轄下のダムシュン県とナクチュ地区パンガ県にまたがる東西約70km、南北約30kmという巨大なもので、総面積1920kmiは日本最大の湖である琵琶湖(約670km)の約3倍に及ぶことからもその大きさがわかる。

                                                                       ナムツォ(纳木错)
   ナムツォはチャンタン高原の東端に位置しているため、湖の周囲には広大な草原が広がり、夏季にはエリア有数の遊牧地として、多くの遊牧民が訪れる。
   ダムシュンの中心地タンチュカ鎮で青蔵公路から離れ、両側が切り立った谷間を通る舗装道を1時間30分ほど北上すると、海抜5190mのランゲン・ラ(ラー味を意味するチベット語)に到着する。ここで車を降りて、進行方向に目をやると、夏季なら緑の草原と青い湖が見える。それがナムツオだ。

ランゲン・ラ峠(海抜5190m)


 ランゲン・ラを下り、草原の中を30分ほど走るとナムツオの南東部にせり出したふたつの小山をもつ半島にたどり着く。ここはタシ島と呼ばれ、ナムツオ・ツアーの最終目的地となっており、湖での宿泊を希望する観光客のための宿泊施設が並んでいる。
   タシ島はチベット仏教の聖地であり、丘の上のタルチョやマニ塚、洞窟を利用して造られた寺院タシドル・ゴンパ、手を合わせたような合掌岩など仰の対象となるものが数多くある。さらに、チベットの未年には、12年に1度の大祭が執り行われ、ナムツォは湖を巡礼で周回する信者でにぎわう。

                                                                                             ナムツォ(纳木错)


  ナムツオの南岸に連なる壮麗な山並みはニエンチェンタンラ山脈で、7000m級の峰々が東西に連なっている。最高峰は万年雪を頂く ニェンチェンタンラ峰(7162m)、湖面の濃い青と白い頂のコントラストがすばらしい。ただし、夏季は雲を身にまとうことが多く、山頂を目にする時間はかぎられるので、シャッターチャンスを逃さないようにしたい。

 

ナムツォ(纳木错)

 

  ナムツオ観光は、このような自然を堪能することがメインになるが、タシ島には仰対象がいたるところにあるので、チベット族にならい、島をコルラ(神聖なものを時計回りに巡るチベット人の祈り方)するのもおすすめ。ゆっくり回っても2時間もあれば帰ってこられる。途中にある修行僧の家を訪ね、バター茶をごちそうになる(帰るときにはお布施を置いていこう)のもいいだろう。そのほかにも島の小山には整備された巡礼道があって上に行ける。頂上からはナムツオの全景が見渡せる。
   夏は遊牧の季節であり、ナムツオの東に広がる草原には多<のヤクや羊が放牧され、その周囲に黒い遊牧民のテントが張られている。ナムツオで十分な時間が取れるなら、乗馬を楽しむのもよいでしょう。

 

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