セラ・ゴンパ/色拉寺sèlasì
河口慧海や多田等観が学んだ寺院
セラ寺(色拉寺)はチベット仏教ゲルク派(黄教)六大寺院の一つであり、ラサ三大寺(ガンデン寺、デプン寺、セラ寺)の中で最後に建設された寺院です、セラの名は、チベット語で「野バラ」を意味し、創建時に周辺にバラが群生していたことに由来します。別説では、建設中の雹(チベット語で「セラ」)に因むとも伝えられます。
ラサの中心部から北に8kmほどの所にあるセラ・ウツェ山の麓に立つセラ・ゴンパは、ツオンカパの弟子であるジャンチェン・チョジェ・サキャ・イェシェ(釈迦益西)によって、1419年に創建されたゲルク派の大寺院で、「ツォチェン大殿」(大経堂)を中心に、3つの「トゥクチェン」(学堂)或いは(メ·トゥクチェン、チェ·トゥクチェン、アバ·トゥクチェン)と30のカンツェン(僧房)などで構成されている。最盛期には5500人もの僧侶がここで修行に励んでいたといわれ、日本人の川口慧海や多田等観もここでチベット仏教を学んだ。
ツォチェン大殿は4層構造で約1,000平方メートルの広さを誇り、鮮やかな壁画や仏像、経典が多数安置されています。
サキャ・イエシェの塑像や菩薩像を従えたツォンカパの銅像があり、南側の棚には明の第3代永楽帝からサキャ・イェシェに贈られた永楽8年版大蔵経(カンギュル)朱砂刷り(北京版)108箱が納められている。
メ・トゥクチェンは顕教を学ぶ学堂。主尊の能仁仏(シャカムこ)は、名匠ケギェ・ジャンパリンをわざわざサムイエ・ゴンパ(桑耶寺)から招聘して制作させたものだ。
チェ・タツァンもメ・タツァン同様頭数を学ぶ学堂で、その規模はセラ・ゴンパ最大だ。主尊は一風変わった手話相の規模はセラ・ゴンパ最大だ。主尊は一風変わった馬頭観音像「寺の宝とされる仏像」だが、子宝に利益があるらしく、願掛けをする女性巡礼者も多く見られる。
また、この学堂の東側に、多くの僧侶が独特のジェスチャーで問答修行をする中庭がある。平日の午後に行われ、自由に見学できるので、休憩ついでにこのセラ・ゴンパの問答を拝見しよう。
アバ·トゥクチェンは修行の最後にわずかなエリートだけが進み得た密教を学ぶ学堂で、規模はいちばん小さい。しかしながら、ここに納められた十八羅漢像は、それぞれの中に明の永楽帝から贈られた白檀製の小さな「十八羅漢像」を納めた逸品。このほかに無量光仏や十一面観音なども一見の価値がある。
セラ寺(色拉)問答
多彩な問答はセラ寺独特な特徴です、毎日お坊さん学習方法とも言える「論証(ディベート)」の儀式で知られ、論議者はしばしばさまざまなジェスチャーを借りて議論の力を強め、彼らは手を叩いて相手にできるだけ早く質問に答えるよう促したり、仏陀の力を借りて相手に勝つことを示したりする、この活動は僧侶の学識を深める重要な修行とされています。僧侶たちが激しい身振りで教義を討論する様子は観光客にも人気です(観光時間2~3時間)。