タシルンポ寺/扎什伧布寺zhashilúnbùsì

 

 サンジュツェ区市街の西に位置するタシルンポ寺は、1447年に建立された、チベット仏教ゲルク派「黄教」のガンデン寺、セラ寺、デプン寺、タシルンポ寺それから青海のタール寺や甘粛のラブラン寺と並び「六大寺院」にも数えられる。

 ゲルク派の開祖ツォンカパの高弟であるゲンドゥン・トゥプ(根敦珠巴ダライ・ラマ1世)によって創建され、当初は「ガンギェンテンパ(雪域興仏寺)」と名付けられた。ダライ・ラマ5世の時代、タシルンポ寺の僧院長だった四世パンチェンラマロサンチョキギェルツェン(罗桑却吉坚赞)が大規模な拡張を行い、阿弥陀菩薩の化身であるパンチェン・ラマとしての地位を得てからは、歴代のパンチェン・ラマによる政治・宗数の中心として繁栄し、最盛期には約4500人の侶がいた。現在でも1000人近くが生活しており、チベットで最も活発な寺院といわれている。

タシルンポ寺/扎什伧布寺

 

 敷地内には数多くの殿堂が立っているので、主要建築物は、まず門を入って正面にそびえる大きな建物が、パンチェン・ラマ4世の霊塔を安置した霊塔殿で、霊塔の高さは11mあり、銀色の塔身は玉や金によって装飾されている。その東側には、パンチェン・ラマ1~3世、5~10世の霊塔が点在している。なかでも1989年に逝去したパンチェン・ラマ10世の霊塔「シソン・ナムギェル(释颂南捷)」は中国政府が10億円をかけて1994年に建立したもの。

 ツォチェン大殿(錯欽大殿): 寺院の中心で、48本の朱塗り柱に支えられた広大な空間。釈迦牟尼像や創建者ゲンドゥン・ドゥプの立像を安置。大集会堂や中庭では僧侶たちが修行している様子を見学することができる。高僧を囲んで問答したり、互いに議論を交わす僧侶たちは真剣そのもので、チベット仏教伝統の姿を見ることができる。

 伽藍のなかでひときわ壮大な弥勒仏殿は西端に位置しており、像高26.2メートルの金色の弥勒座像(マイトレーヤ仏)が安置されている。重さ約115トンで、真珠や宝玉が散りばめられた金銅仏としては世界最大のもので、その輝きはひたすら神々しい。

 

 

 四大学問院(ツァムラ)を設置し、顕教と密教の両方を教授、チベット仏教の学術的中心地として機能

 芸術的価値になる壁画や経典、仏像が豊富で、「第二の敦煌」と称される。特に仏教物語や四大天王を描いた壁画、漢仏堂(甲納拉康): 明代の皇帝から贈られた磁器や金印を展示し、漢族とチベットの文化交流を象徴

 1961年に中国国家重要文化財に指定され、2017年には国家5A級観光地に認定された。

 

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